2016年12月02日

簡易 UPS の検討

電子工作では、いつでも電源をどうするかという点で悩むわけだが、さらにバッテリー駆動したいとなると頭が痛い。定番というものがあれば楽なのだが。カテゴリ PMIC で何が良いか探っていきたい。

さて、最近知ったのだが、ダイソーの300円モバイルバッテリーがあるそうだ。この記事を見ると、FM6316FE というチップが使われていて、充電と 5V 昇圧ができるみたいだ。

aliexpress で検索しまくったついでに、みてみると 20個 $3.1 とかで買える。昇圧用のインダクタは、kicc というショップが安かったり。
 ・https://www.aliexpress.com/store/821060/search?SearchText=CD54+3R3

データシートを見ると、モバイルバッテリー用だけあって アイドル時は、16uA (0.016mA)しか消費しない。5V 出力は 1A とまぁまぁ。

興味がわいたので、買ってみたり。で、どうしよう。




ただのモバイルバッテリーを作ってもしょうがないのである。市販のやつを買えば良い。で、考えたのだが UPS にするというのはどうか? 充電と出力を同時に出来るようにするだけなのだが。


一番簡単なのは、ダイオードで 5V 入力 と 昇圧出力をつなぐ。だが、問題が2つ。ひとつは Vf 分の電圧降下。もうひとつ、5V 入力の電圧が昇圧出力より低いとき、昇圧出力が使われるという点。こうなると、バッテリーへの充放電が同時に起きるから、まずいような。

で、MOS FET スイッチを付けることを考えてみた。5V 入力 の方は、ドレインが出力側。ボデイダイオードがあるから OFF でも電流は流れる。ON にすると 電圧降下が無視できるほど抵抗値が低くなる。昇圧出力側は逆にする。OFF のとき 出力させない。

これの制御をどうしたら良いのだろうか?


考えてみたのだが、 5V入力が 昇圧出力より 0.6V 下がれば PNP トランジスタが ON になるという回路は簡単だ。

PNP が ON になれば、5V入力 側 PCH のスイッチ を OFF にできる。もうひとつ Nch FET を追加して 昇圧出力側を ON にすることも出来る。

これで行けるのだろうか?ちょっと自信がない。

5V入力が切れれば、出力も下がっていって 0.6V 下がったところで PNPトランジスタが ON になり、5V入力 側 PCH のスイッチが切れる。一旦そうなれば、出力からの逆流が起きないから、スイッチが 再度 ON になることはない。

では、ちゃんとスイッチが切れるのか? 昇圧出力も ON になるから、そちらが先だと すぐに回復して 逆流によって 5V入力側が切れないとか? そうなるとまずそうな。

どうも、昇圧出力の ON のほうが条件が良い。これで頑張っても安定して動作させるのは厳しそうな予感。5V_IN の方は、諦めてダイオードでいくしかないのだろうか?



ところで、OPi Zero の回路図に似たような目的の回路がある。目的はなんとなく分かるのだが、最初回路が理解できなかった。後で、カレントミラーだと分かった。
なんとなくの理解:R10 と R12 に同じだけ電流が流れる ... ということは、電圧が 5V_IN = 5V_OUT となってるはずだ。また、5V_IN だけが OFF になれば、Q2 は ON になり、Q6 は OFF 。



結局これで良いのでは?

点線内は、純粋にダイオードの性能を良くする代替回路。こんなもの 5V_IN の電圧を上げれば済む話。でも、そうできない事情もあるだろうし、オプションとして使えるようにする。
回路図で BCM856BS とかになってるが間違い。BCM856DS でないとパターンに合わない。で、かなり高い、30個 $5 とか。digikey だと一個 51円也。 代替品もなさそうだし、無理して組まなくとも良いかという気になってくる。しかし、うまく行くなら結構役に立ちそうだし、ちょっと悩む。

ちなみに、PCH には、AO3415A(20V 5A) を使う。これも aliexpress で安く入手可能。秋月の IRLM6402(20V 3.7A) でも全く問題ない。NCH は、 BSS138 とか。

ひとまず回路は完成。5V 1A では面白くないというのであれば、こんなニコイチ IC を使わずに別々にする。昇圧 2A だと、MT3608 とか SX1308 とか。 (この2つ同じもののような ...) ちなみに スイッチングが起きないと消費は 0.1 mA 。僅かでも 出力を消費すると スイッチングが起きて 1.6mA になる。なお、この回路は、昇圧出力OFFのとき 電流は消費しないので たぶん 0.1mA で済む。ならば、充電回路との切り替えは特に意識しないで良い。


aliexpress で MT3608 を検索すると $0.36 とかの格安のモジュールが見つかる。安いものの形状は2種類だが、いずれも 22uH を使っている。データシートでは 4.7uH 〜 22uH となっているが ... この大きさ (たぶん CD54 or 7mm角シールド付き)では、たいして電流を流せないだろう。 1MHz 1A の FM6316FE ですら 3.3uH 3A なのだから、4.7uH 4A ぐらいのものが必要ではないだろうか?
いや MT3608 は 1.2 MHz だから 3.3uH でも良さそうな。current limit は 4A だから、4A の2割ぐらい小さなものでも大丈夫。 --- CD54 3.3uH 3.7A に交換すれば 2A いけるかも。

SX1308 のモジュールだと、$0.60 と少々高いが 4.7uH を使っている。こちらの方がたぶん目的に近い。


放電時は、アイドルでも少々電流が流れる。1mA ぐらいが目標で、昇圧回路と合わせて 2.5mA ぐらい。(上の回路図の抵抗値は適当なので信用してはいけない。) 。また、0.6V では落ちすぎとかであれば、TL431A を使って、最低電圧を決められるような回路にもできる。こちらも 1mA は必要。UPS であり、この程度は問題がないのであるが、もはやモバイルバッテリーとしては不適切な回路になっている。



さて、バッテリーをどうするか? UPS だから通電のまま放置である。そうなるとリポ電池は嫌。MiMH x3 で良いのではないか。どうせ 常時トリクル充電してるだけである。特に 秋月のやつは、電話子機用だしそういう用途で使えるもの。840mAH とかだが、30分も動作すれば十分だろう。2A 出力なら 15分だが、それでも十分に思える。

ただし、バッテリー動作であること、あとどれぐらい持つのか ... という情報が欲しい。
 ・ 5V_IN 電圧
 ・ バッテリー電圧
も出力するように考えておく。

ひとまずここまで。eagle で 基板設計までしたが保留中。FM6316FE ではやっぱり面白くない。2A が本当にいけるのであれば MT3608/SX1308 + LTC4054(互換品) + TL431A に変更したい。その確認は、くだんのモジュールを入手して実験してみて。... 先が長い話になりそうだ。




とりあえず、 TL431A に変更した回路。

5V_IN が来ている状態では、2.495 x 18.2/10 = 4.54v を上回るので、TL431A が ON になる。そうすると、NCH が OFF になり、PCH も OFF になり、昇圧5V が出力されない。昇圧5V が出力される場合、TL431A は OFF である。このとき TL431A は電流を消費しない。消費するのは R11 の抵抗のみ。こんなところで良さそうだ。

ついでだが、TL431A への入力は外部にも出力している。3.3V 系ならば、デジタル入力で 5V_IN ありなしを判別できる。



ついでなので、SX1308 + LTC4054(互換) を使った 2A 出力に変更した回路。MCP73831 となってるがこれも互換品だから気にしない。

FM6316FE 用を全部流用して単純置き換え。3.3uH 3A と書いてるが、たぶん 3.7A 。後で知ったのだが、aitendo でも CD54 3.3uH を扱っている (10個 100円) 。データシートもあって 3.7A だそうだ。

あ、FB だけは違う。SX1308 の FB 電圧は 0.6v なので、0.6 x 85/10 = 5.1v になるようにしている。




全部流用と書いたところで、FM6316FE と SX1308 + LTC4054(互換) の両方のパターンを載せられると思いつき、基板修正。これなら発注しても良いか。ちなみに基板サイズは、47mm x 36mm 。
 ・mini_ups_2a_v1.0.pdf --- 回路図
 ・mini_ups_2a_v1.0.zip --- eagle ファイル
 ・mini_ups_2a_v1.0-out.zip --- 提出ファイル

ただ、これを作ったとして、どう使うか全然イメージできてなかったり。たとえ 5V 2A 出力可能だったとしても、クラスタボードには使えないし。


大失敗。2A と書いているのにダイオードが小さすぎ。SOD123 とか無理にもほどがある。... と言っても 2A,3A 流せる製品がないわけではない。後で修正はするが、ちょっと検討してみる。

ともかく、aliexpress で買えるものを検索。
どうも 3A 品は、DO-214AA なんてでかいパッケージの SS34 が多いのだが、中には DO-214AC というのが安価にある。 「do-214ac Schottky diode ss34」とかで出てくる中には、100個 $0.99 なんてものも。ボードに適合する 「sod-123 Schottky diode」だと 安価なのは、1N5819HW で 1A 品。値段はやはり 100個 $0.99 がある。この辺を念頭において今後は基板を作ろうと思う。

さて、パターンに載るやつ。digikey で探してみると ON semi の SS34FA,SS36FA というのがあった。しかし、aliexpress にはなかった。ロームの RB50M-2y , RB51M-2y ならある。しかし、30 個で $9 とかそんな価格なのであった。

さすがに価格の差がありすぎなので、パス。頑張ってレジストを削ることにしよう。
posted by すz at 22:31| Comment(1) | TrackBack(0) | PMIC