小さめの座卓を作ることにしたわけだが・・・目的は、リベンジというか満足いくものを作る・・・というか満足いく塗装をする。それだけである。使い道はない。あえて言うなら、マンガ勉強机だろうか。ただし、座卓に向かって座ることはまずない。また本棚の形にはなっているが、強度に不安があってずらっと本を置くこともないだろう。
座卓の構想。
天板は、たまたま買った 90cm x 46cm の合板。
脚は、32cm で手持ちの赤松KD材 野縁(4cm x 3cm)
高さは、もともとある座卓と同じぐらいにする。そうしておけば、座卓を広く使うために役に立つかも知れない。
幕板、短辺の貫は、同じく 赤松野縁(4cm x 3cm)
トンボ貫は、たまたま買った 約10cm x 11mm の堅木?カバ桜?の板
幕板は天板の下にある四方の板。貫は幕板の下側に幕板と並行に付く板。トンボ貫は貫同士をつないでいる板で貫と直角になっているもの。
野縁(ノブチ)というのは、天井の板を止めている角棒のこと。木材のサイズを表すものではないが、そう書かれて売られている。他に 垂木(タルキ)と書かれて売られていることも。垂木は屋根を支えている角棒で屋根と同じ傾斜で取り付けられているもの。あと、胴縁(ドウブチ)というのが出てくるが、壁の石膏ボードなどを取り付けるための板。
ここまでは最初から決まっているようなもの。どうそれらをつなげるかだが、
天板ー幕板は接着剤のみ
調べたが合板だから接着して良いのであって、無垢などは湿気によって膨張・収縮するので固定したらいけない。集成材もあまり良くないらしい。たとえば、駒止め金物という専用の金具で遊びを作って天板を止めるようなことをする。四方に枠組みをつけて天板自体は固定しない額縁のような構造を框組というのであるが、100年レベルでは、そんな工夫も無駄であった。木材は、それぐらい膨張・収縮するのである。
脚-幕板、脚-貫はダボ接続。
これが放置するひとつの理由になった。ダボ接続などうまく出来たことがない。ガバガバに穴を広げて大量の接着剤を流し込むことになるのは最初から分かっている。しかし、このときはそれしか考えなかったのだ。やっぱり無理だったという反省をもとにやれるやり方を考えたのが、小さい台の話なのである。
さて無理でもなんでも所定の位置になるように穴を広げまくった。幸いなことに広げた穴は見えない。またタイトボンドの強度は高くぐらつきなどは全くない。幸いでなかったのは、幕板が天板より外側に出てしまったことである。もともとツライチにするつもりなので一番凹んだところまで削るしかないのだが、3mm かもっと削ることになる。しかもヤニの問題がある。憂鬱になってしまい放置することになったのである。
トンボ貫-貫だが、板の方が貫通穴のダボ接続。
良くわからないのだが、脚が広がったりしないためものだからダボをひっかけることで強度を確保したい。
とりあえず購入しないといけないのは、赤松野縁(4cm x 3cm)を2本。
赤松野縁を見に行ったのだが、節がなさそうなのがあったので、考えなしに購入した。360円 x2 ぐらい。なんか値段が高くなっているのはともかく、どうやら KD 材ではなく、生木に近いもののようだ。余った部分で三角の補強を作ろうかと切っていたら、なんと のこぎりの目が詰まった。信じられないことだ。こんなものをサンディングなど出来るのか?不安がよぎる。松ヤニはアルコールに溶けるそうで、のこぎり自体は、水抜き剤(IPA)で拭くことでなんとかなった。
購入は失敗か?と思ったが、節がないだけでなく、木目が綺麗なのだった。大成功なのかも知れない。
後で購入した店に行ってみたところ、値段が上がって 400円を超えていた。コメリにも行ったが KD材 308円と値段は変わらないものの在庫数が見るたびに減っている。もうほとんどなくなっていて、残っているのは割れがひどいやつなど、買う気もしないものばかり。当面は端材や安い荒材のみ買うことにしたい。
長辺の貫? 1枚の板だけでは本棚にならない。そこで、手持ちの杉の胴縁?(45mm x 13mm)を2本 背の部分に付ける。つけ方は脚を彫り込んではめ込む。胴縁は削らない。最初はそれだけで良いと思ったのだが、トンボ貫の板との隙間が大きい。そこで、下の胴縁に胴縁をL字型に付けることに。ただそのままつけると 板より 5mm 低くなってしまう。そこで 追加する胴縁を削り込むことに決めた。決めたは良いが、うまく出来る気がしなくて、しばらく放置することとなった。
塗装の構想
色は基本水性ステイン(マホガニー)にする。が、天板の裏、幕板の裏、あとトンボ貫とその他のものは、水性ステイン(ウォールナット)にして黒っぽくする。理由は、持っている座卓がそんな配色だから。
構想の段階では、塗り箸のように非常に濃く塗って 合板であることが分からないぐらいにするつもり・・・だったのだが、幕板、貫が綺麗な木目になっているので、考えを変えた。また合板であることは分かるが、幕板の木目とマッチして気にならないような気がする。
水性ステインは、色合いが気に入ったのだが、パテしたところは乗りが悪い。そこで白っぽくなっているところは、ダイソーの修正ペンでごまかした。
あと、天板は特別扱い。まず との粉とウッドシールを混ぜたものにさらにステインを多少加えたものをハケで薄く塗り込む。完全に乾燥させてから #240 でサンディング。
問題の対処
胴縁を削り込む
ツライチになるまで削る
問題は大きくこの2つ。
胴縁を削り込む
とにかく出来る気がしないのである。このころ大工の動画を良くみていたのだが、溝を掘るには、普通トリマーなるものを使う。ただ多少だがお高いし、どう見ても危険そうで見るからに恐ろしい。トリマーはやめておこうと決めた。他の方法として、丸ノコを使うやりかたがある。歯を出す深さを決められるので、数ミリづつずらして何度も何度も切ることで広い幅の溝も切れるらしい。残った部分が櫛のように立つことになるが、手で折り取ることができる。また動画をいろいろと見たのだが、丸ノコは楽をするためのものと言うより、正確に切断するためのものらしい。脚を4本同じ長さで直角に切ることが出来れば、出来栄えが全然違う・・・欲しくなってきた。
動画を見ていると角棒を直角に切るのに、ただの丸ノコはあまり使わないようだ。卓上丸ノコを使っていることが多いように見える。フランジ機構で丸ノコを垂直に降ろすことが出来て、さらにスライド機構が付いていて切り進められるものもある。とは言え、室内でパーツを準備するのに使っているものの、現場では丸ノコそのままで使うようだ。補助に使う用具は、付属しているような T字型の平行定規ぐらい。フリーハンドでやっている場面もあった。要はスキルの問題でプロの職人ともなれば、出来て当然なのだろう。また、一度で切り切れないようなものは、材料を回して裏から切っている。これでピタリと合うのだからたいしたものだ。
まぁ角棒を垂直に切るだけなら、それ用の定規があれば良い。卓上丸ノコのようなものまではいらない。欲しくない欲しくない。
例えば この動画。卓上丸ノコは確度をつけて切るのに使っている。溝も掘っているがフリーハンド。使っているのは、特殊な刃を付けた丸ノコに見える。溝の端は、卓上丸ノコで正確に切って、カッターと呼んでる丸ノコで広く削っているようだ。残った部分は手で折ってノミで綺麗に成形。
この「大工の正やん」なんでもサクサクやっていて、見てて惚れ惚れする。
全然別のものだが、グラインダースタンドというものを見つけた。ハンドルが付いていてグラインダーを垂直に降ろすだけのものだが 組み込みのバイスが付いて 2000円ほどと安い。グラインダーを昔に買ったものの怖くて使っていないので、スタンドがあれば使う気になるだろう。スライドは出来ないので出来ることは、ボルトのような細いものを切ったりするぐらいだが、木工でも刃があれば、角材を直角に溝切るぐらいは出来るかも知れない。回して切れば切り落とすことも出来るかも知れない。そしてのこ刃は 85mm で 15mm 穴のものは売っている。木材用もあれば、刃数が多い 軽金属用のものもある。とりあえずグラインダースタンドは買うことにした。
で、やすくて安全そうな POPOMAN MTW350A に注目。刃径が 85mm と小さくほぼ金属製のカバーに隠れている。おまけの機能もあったりして、良いかなと思ったときに値下げ。今だと 5599円から500円値引きクーポンで5099円かな?これが、4000円ほどになったのである。見た瞬間にポチってしまった。
で、掘り込みに挑戦。出来たか?といえば出来たのである。ただし失敗もあった。フランジ付きでストッパーで深さを決めてやるタイプなのだが、これが強く抑えるとストッパー自体が動いてしまうのである。結果したまで貫通させてしまった。これが分かったあとはコワゴワやっておおよそ 深さ5mm x 幅13mm を切り取れた。こいつは正確な深さで掘るのが難しい。最初から深さを固定できる普通のタイプの方が良かったようだ。また、27mm (実際には 26mm)までしか切れない。(さらに動画で良く推奨されている定規を自作すると定規の厚みだけ浅くなってしまう。定規が 9mm 厚だと 17mm までである。)よく使う野縁(4cm x 3cm)は切り切れないのだ。そこまで切れたら後は手ノコで良いかとも思うので致命的ではないが、今買うのであればこれは選択しない。刃径 147mmの普通のタイプが良いと思う。ただ悪いところばかりではない。怖くないのである。安全そうに見えるし実際もそうだと思える。
ツライチになるまで削る
これが出来たら、とりあえずの障害はなくなる。松ヤニですぐ目が詰まるに違いない。手持ちのペーパーの枚数では使い切ってしまうに違いない・・・などと考えていたのだが、#60 でやってみたら時間はかかったが、あっさりと出来た。ペーパーは1枚でなんとか。いや1回交換したような気もする。とにかく粗削りは終わり、#120, #240 と細かくしていって完了。しかし ランダムサンダーは素晴らしい。出来なさそうなこともやってのける。ちなみに、松ヤニが出るような材料はかんながけも厳しいらしい。刃にこびりついて大変だろうと思う。アルコールで手入れしながらならいけると思うが面倒この上ない。ペーパーも 水抜き剤(IPA) で拭いたりすれば、多少延命できるかも。
他の課題
トンボ貫である板を着色してから付ける。そのために貫にダボを立てておいて、独立に板に穴をあけて嵌める。ダボと同じ径で穴をあけたら精度的に嵌められるわけがない。穴を広げて調整していったら、絶対に穴が汚くなる。それでφ8mm のダボに対して 10mm の穴をあけた。うまく行ったら良いがダメだっても替えはない。一か八かの気分でやったが、うまく行った。つぎ、分かっていたことだが、左右の貫の高さが違う。だいたい 2mm 。これもダボ接続した結果精度が落ちたせいだ。普通だったら気にしないのだが、L型と高さが違うのは困るので、低い方にスペーサーを入れて少しでも調整することにした。ナラの端材(多分)から 2mm厚 を丸ノコで切り出す。ナラは堅いし、手ノコではとても出来ない。丸ノコもすばらしい。出来ないことがいくつか出来るようになった。
塗装の課題
本棚を構成する3枚の色違いの板はオプション扱いで、それ以外を本体と定義しておく。トンボ貫を付ける時点で本体の着色は終わっている。ニス塗りも1回目は終わっていて、後は透明のニスを塗り重ねていくだけの予定だった。色合いは気に入った。気に入らないのはニスの質感。厚塗りした感じにしたいのだが、何回か塗り重ねても、あまり変わらない。ニスを変えるべきか?ここで悩んでいる。また、天板もちょっと気に入らない状態。2回ほど塗った後磨いてみたのだが、つるつるになったものの、白い粉が表面に残った。これを完全に取り除かないまま塗り重ねたところ、白いものがなかに残ってしまった。着色ニスで上塗りしてごまかそうか?着色ニスは和信の残りと、カンペハビオの油性のものと2種類ある。どちらも今のとは色合いが違う。和信は天板の分ぐらいしか残っていない。カンペハビオの油性は使ったことがない。どうなるか分からないから冒険になる。あと油性の超耐久性を塗ってしまうという選択枝もある。まぁ悩んでいるだけだからやってしまえば良いのだが。
ブックシェルフ
本棚は作ったが、両端オープンでは機能を果たせない。ブックシェルフも作る。素材はダイソーの化粧版。パーティクルボードの表面に紙だかなんだかを貼ってあるもの。カラーボックスで使われているアレだ。
切断面はそのままなので、なにか処置しないと見栄えが悪い。普通は木口テープなどを貼るらしいが、ここはウッドシールを使ってみる。また、ダイソーの化粧版は 200円の大きいタイプもある。棚を作るのに使えるかどうかの調査の目的も兼ねている。
さて、どのように作るか? とにかく切って、背面に凸型2か所を作り、背の部分の貫の隙間に嵌めてみる。これだけで止まらなければ、別途考える。
で、切ってみたが、化粧部分の紙だかなんだかが一部割れて取れてしまう。非常に汚い切り口となった。これは丸ノコでも手ノコでも同じような感じ。おそらく先にカッターかなにかで、深く傷をつけてやってそこで割れるようにすべきなのだろう。つぎに凸型にするために一部ノミで割り取った。これもひどい。次に貫の隙間に嵌るよう調整。木工用やすりを使ったが、けっこう削りやすい。逆に削りすぎてゆるゆるになった。これは気にせず、木口というか切り口全部にウッドシールを塗る。もともと痩せるのとパーティクルボードが吸い込むのとで、1回では凸凹に。2回目塗ってやって乾燥。あと表面を綺麗に出来たら、このやり方を採用する。ようやく役立たずのウッドシールが有効に使える場面が訪れるのだろうか!
2回目塗っても凸凹は取れない。また2日置いても完全に乾燥した感じではない。柔らかいのはともかくまだベトベトする感じが残っている。とりあえず、余計な分を削り落とした。ミニカンナで削れば、木のようにつながった削りカスが出る。だからといって、そう綺麗にはならない。とりあえずもうすこし置いてみる。
ところで、パーティクルボードのように良く吸い込むものは、接着も難しいらしい。タイトボンドでは、水に溶いたものを一旦塗って目止めをして、それから接着するようなことをするらしい。