2022年10月21日

鑿を新調

今まで安い鑿ばかり使ってきた。研げば切れ味など変わらないだろうと思っていたのだが、自信がなくなって来た。だいたい研ぐ角度が間違っていたし、切れ味も極端に持続性がないような気までする。

何を削るのかにもよるのだが、だいたい 30°〜32°あたりが良いようだ。だが、手持ちの鑿は全部もっと鋭角のようなのだ。例えば、刃が 5mm 厚だとして、裏面に定規を当てて刃の長さを上から見た時に 28°であれば、9.40 mm 。30°であれば 8.66mm ということになる。手持ちの鑿は 5mm も厚さがないのに 10mm 近くある。大分鋭角らしい。

こういう場合どうするかというと表を2段刃にする。しのぎのところ 0.5mm 〜 1mm ぐらい浮かして研ぐ。・・・こんなの邪道とばかり思っていたが、鑿の場合はそれで良いらしい。しかも丸刃になっても構わないとのこと。

こういうことを調べている間に、替刃式の鑿があることを知った。普通の鑿は研いでから使うものだと認識してたが、替刃式であるならば、最初から切れるはずだ。自分で研いだものとどれぐらい違うのか? 知りたくなった。

 小山金属工業所 播磨王
という製品で、他のメーカーの類似したものも、このメーカーの OEM らしい。おそらく BIGMAN 鏡獅子、与板利器 翔 は同じもの。

    ウッドデッキ+手すり-010.jpg
    替刃と言ってもこんなタイプ。柄と別れてるだけのような感じ。

替刃には、合金鋼、青鋼、ハイス鋼の3種類がある。青鋼というのは、青紙のことで恐らく2号。耐摩耗性が高く長きれする。ハイス鋼はもっと耐久性が高く、集成材やハードウッド用。では合金鋼は?というと良く分からない。
一応、比較的高級な鑿は 白紙2号を使うようなのだが、これは炭素鋼であって合金鋼ではない。もっと一般的な SK鋼も炭素鋼である。白紙と青紙の間なのか? ならば結構良いもののはずだ。青鋼はお高いが、合金鋼の替刃は安い。青鋼にしてみたい気もするが、研ぎにくいということでもあるので、合金鋼で十分だろう。

で、買ったのだ。1本だけでなくいろいろと。柄3本に 刃 9mm 〜 42mm まで8種類。これだけ買っても 10131円。多分全部は使わないのだが、高い鑿を1本買うと思えば安いものだ。これからずっと、他のものを買う必要もない。
(レビューに続く)

ものが届いた。商品写真では分からなかったが、ビニールのキャップが付いていた。替刃にも付属。
まずは、刃をしげしげと見る。裏は思ったほどピカピカしていない。裏すきは思ったより浅い。まともな鑿とは、こういうものなのだろうか? 表から見た鋼はピカピカ。しのぎ面の地金には縦にグラインダーの跡のような縦線。36mm の刃の先端は欠けなのか何なのか先の先まで研げているような気がしない。爪でツーとやると引っかかるような・・・。

    鋼が鍛接されている・・・と思ったのだが、違うかも全鋼? そういえば、しのぎ面も硬い。SK材のクラフトナイフをちょっと研いだのだが、黒々と条痕が付く。同じ砥石でしのぎ面を研いでもこんなにはならない。

    引っかかるのは、どうやらバリのようだ。これは砥石で擦ればすぐ取れる。だが、36mm は、少し欠けている。使ってみて、ほぼ支障がないレベルのようだし、研いでいけば直りそうなので、あまり気にしないことにする。

    ・・・いや気になる。ちょっとでも研いでみることに。

とりあえず使ってみる。作業は、腰掛アリの調整。そのままで、まぁ良く切れる。木口もジョリジョリと削れ、削り終わりが割れたりしない。手持ちの鑿は、もうちょっと力がいるし、削り終わりの端が実際に割れたりしたのだ。

新品の 18mm をちょっと研いでみる。#1500 を使い軽く。別の鑿を研いだ後のもので、条痕で真っ黒なやつだが、この状態だとピカピカになる。裏をやってみたところ、思ったほど平面ではない。像が写るようになったが、少し歪んでいる。表も少し研いでみる。やはり縦線はグラインダーの跡だった。少しやればしのぎの所ー上から消えていく。中央部はへこんでいるようで、簡単には消えない。また、やはり二段刃。角度が少し違い、鍛接の線と刃先の間に線が見える。光の反射も違う。また、しのぎ面を研いでも刃先の段は状態が変わらない。(刃先にも細かい縦線がある) あと、差し込むところの径は全部同じ。大の柄にも 12mm がちゃんと付く。ただ段差が出来るだけ。

    与板利器 翔 の替柄 は、コメリでも扱っていて 1180円。アマゾンでは、大 (KE-03 )が 941円。予備で一時的に使うのであれば、大を買っとけば良さそう。

    ・・・実際に大を買ってみたところ全く同じだった。個体差が結構あるようで、桂の調整に苦労した。木殺しをしても桂が入って行かないので、外して 今度は鉄工用やすりで少し削った。なお、上の金属部分は2ピース。下側は口金で上の部分が柄にささっている。桂を外す時に上の部分が抜けたので気が付いた。

これでどういうものか大体分かった。

次は桂の仕込み。これをやっておかないと叩くわけにはいかない。まずは刃を抜く。タガネを当てて桂を外す。外したら木殺しをしてまた嵌める。バールのようなもの(ダイソーで買った釘抜き)を当てて叩き 2mm ぐらい木の部分を飛び出させる。木の部分の端を叩いてキノコ状に。
キノコ状にするところは、上手く出来ていないが、使っていくうちに潰れてくるだろう。こうやって仕込んだ後はもう簡単には外せない。モンキーレンチのようなもので引っかけて木の部分に当て木をして叩くとのこと。普通の鑿なら勢いで落とさないよう気を使うが、替刃式なので刃を外せば良い。
また、研ぐときも楽。柄が付いていない状態で研ぐと柄が研ぎの邪魔になることがない。ようするに軽いし、ブレも減る。

しかし、研ぎあがりの状態はたいして違わないと思えるのに、どうして手持ちの 24mm はこうもダメなのか? 鋼材が柔らかいだけなら良いが、研ぎで致命的なミスをしているかも。新調した 18mm を研いでみて使い比べてみよう。もしかしたら、研いだ結果切れ味が落ちるかも知れない。

    ウッドデッキ+手すり-011.jpgウッドデッキ+手すり-012.jpg
    写真を撮ってみた。左が少し研いだ 18mm , 右が新品のままの 12mm 。
    表側、こんな風に縦に溝がある。18mm は少し消えている。ここいくら頑張っても刃先には関係しないので切れ味は変わらない。それでもまぁ消せるものなら消したい。まだ刃先は触っていない。ここを研ぐと使ってないのに切れなくしてしまう恐れがありビビっている。やはり一度は使ってから。
    裏側、写真ではほぼ分からないと思うが、裏すきの周囲が少し窪んでいて砥石が当たらない。刃先が平面であれば窪んでいるところは関係ない。で、刃先が平面か?というと、像が微妙に歪む。また、横方向に細い溝がある。この傷を消すぐらい研げば平面になりそう。あと、刃先と裏すきの距離は 3mm 近くある。DIY での使用頻度だと、欠けることがない限り、なかなか裏切れにならないと思われる。
    万が一裏切れになったら、しのぎと刃先の間を叩いて僅かに刃を曲げる。そうして裏をちゃんと研げば使い続けることが出来る。(やったことは当然ない)


ホゾ穴を掘ってみた。40x15 を20mm 深まで。 鑿は 36mm と 12mm と 手持ちの 12mm 。どれだけ違うのか比べてみる。36mm は側を整形するだけでメインではない。繊維方向に切るだけなので切れ味も関係ない。
まずは、手持ちの 12mm 。一応研いでから。研ぎたてだけあってちゃんと切れる。ホゾ穴を荒堀りしたあと、整形するのに、繊維と直交する面を削るのだが、一応問題なく出来た。出来はしたが、刃先が痛んでいるのが光の反射で見て取れる。裏から触ってみてもバリのようなものが。
1つで交代。あとは新調した方。これは買ったまま。
荒堀りでは大して違いが分からないが、繊維と直交する面を削るのに、幾分気持ちよく削れる。ジョリジョリという音も心地よい。2つ削り終わっても刃先は傷んでないようだ。プロ仕様ではないが、丸一日使えないと話にならないから、当然の品質なのだろう。とは言え、手持ちの 12mm は、自転車小屋で 36個もホゾ穴を空けたことがある。連続では 10個ぐらいは空けたような覚えがある。刃先が多少傷もうとも使えるものだ。
ところで、36mm は繊維に沿って切るだけだが、これはもうバターのように切れた。この作業で評価はしないが、使えるという気はする。

    とは言え、手持ちの鑿はお役御免かと言うと、まだまだ使おうかと。研げば切れるというのも事実であった。2段刃で構わないということだから、研ぎはすぐ終わる。すぐダメになるのだから、#600 あたりで研いで適当にやる。しのぎ面も、裏面も基本触らない。バリを取るために #1500 とかで擦るだけにしておく。新調した鑿は、これではダメだと感じたときに出して来る。これで良いのだ。



購入メモ

購入したのは、安い!と思った プレミアムあきばおー。全種類はなく合金鋼のみ。3mm や 6mm も扱っていない。
価格は、例えば
 小山金属工業所 播磨王 替刃式合金鋼 18mm 1682円 (替刃 18mm 744円 差額 938円)
送料は 690円と 高いが、替刃だけなら 230円のメール便が使える。

買った後に、 翔 で揃えると、プレミアムあきばお〜より安いショップを見つけた。
 https://www.premoa.co.jp/ XPRICE
 8658円+送料 880円 = 9538円。(レミアムあきばお〜は 10131円)

もし、青鋼やハイス鋼が必要なら、以下のショップで扱っている。
 https://kunihamonet.com/products/detail47167.html (ハイス鋼 替刃)
 https://kunihamonet.com/products/detail47168.html (青鋼 替刃)
 18mm 替刃 青鋼 1,320円(税込)  ハイス鋼 1,661円(税込)

集成材やハードウッドを刻むなら、ハイス鋼が望ましいが、そんなことは多分しない。青鋼だと研ぎの回数を減らせるが、DIY レベルの使用頻度では必要ないと思われる。研ぎたくないという人には良いかもだが。
posted by すz at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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