この記事が正しいか?と言われれば概ね正しいように思える。だが、少々危険であることをアピールしすぎのような気もする。また、高いものなら安全で安いものは危険という認識で書かれているように見受けられた。
中国製電池は、いろんなものに使われている。盲目的に危険だと思ってしまえば、なにも買えなくなる。
ここでは、中国製電池が実際どんなものなのか、調べたものについて写真を載せてまとめておこうと思う。


まずは、これ。$4.20 で買った NDS LL Li-ion Battery (3.7V 2000mAh) の分解写真。
- DSi 用のバッテリーにゲタを履かせて、LL に入るようにしただけに見える。容量が 2000mAH もあるはずはなく、良くて 850mAH ではないかと思われる。中華バッテリーにおいては、容量は詐称するものであって、容量を増やすためにわざわざ危険な構造などにはしないはず。
- バッテリーの電極の絶縁には紙が使われている。バッテリー本体のショートは、たいへん恐ろしく濡らすことは厳禁。だが、これは中華バッテリーに限ったことではない。
絶縁体にダンボールとは、ここのことなのだろうか? 内部には電解液が入っているはずで、さすがに内部には使わないと思うのだが... - 防爆弁 というのは、確認できなかった。リポ電池なら膨らむし - それが過ぎれば破裂はするかも知れないが爆発には至らないと思うのだが、カンタイプで内圧を逃がす仕組みがないとすれば結構怖い。
- 保護回路はちゃんと載っている。後述するが、6本足の IC が 2 個使われているのは典型的な回路で、過放電/過充電/過電流保護の機能がある。ちなみに保護回路とバッテリーの間には黒いスポンジが入っていた。(写真を取るために外してある。)
- 電極は、中央が(-)、ケース側は (+) 。保護回路に Nch MOS FET を使う関係で (-) 側に保護回路が入っていて (+) 側は common。

DSL用の互換バッテリーだが似たようなもの。もちろん 2000mAH などあるはずもない。

こちらは、2.4 inch のデジタルフォトフレームに載っていたバッテリー(150mAH 程度)の保護回路。
- 電圧を 測定したら 0V で死んだものとばかり思い(保護回路の写真でも撮ろうと)黄色のフィルムを剥がしてみた。念のために、出てきたバッテリー側の電極の電圧を測定してみたら.. 2.79Vあった。
- IC には、DW01 と 8205 のマークがある。DW01 が保護 IC で、8205 が 外付けの Nch MOS FET 。データシートも手に入る。DW01データシート, 8205データシート。
- かならずしも、DW01 と 8205 のマークがあるとは限らないのだが、互換品なら、100Ω(前後),1KΩ(前後),積層セラミックコンデンサの 3 つの部品が使われている。
- DW01 のデータシートを見ると 4.3V ±50mV で過充電保護が効く。この電圧は少々高めで これをあてにして簡易な充電回路を組むのは危険。
- DW01の過電流保護には、二段階ある。一定の時間過電流が流れると 接続を切るが、短絡して大電流が流れると速やかに接続を切るようになっている。

問題なのは、これ。モトローラ携帯電話用格安互換バッテリー。


なにやら保護回路らしき基板はあるのだが、1 個しか IC が載っていない上に、他に IC を載せるためのパターンがある。
- IC のマークは、2936H 。
- 端子は取ってしまっている。

IC の 2936H を頼りに画像検索したところ、DW01 も一緒に載った写真を発見した。基板の端子の形状を見るとこれも モトローラ携帯電話用。DW01 も一緒に載るということは、2936H は保護用IC でない?。すくなくとも、DW01 と同程度の機能は持っていないはず。(そうでなければ一緒に使う意味が無い)
同系統の BT60互換バッテリーのレビューを見ると恐ろしいことが書いてある。
Do not buy - exploded and caused fire
I bought twelve for a battery pack. When they arrived, I noticed they were made in 2006 but thought they are OK. After a month of work one of the batteries exploded and the fire started, with other batteries exploding: open fire, debris everywhere. It was like nightmare, I was happy to be at home when it happened.
Bottomline: Do not buy. They are old and not so protected as they should be.


こちらは、千石電商で 格安(515円)で売っている モバイル充電器 スリムポーターの中身。
- 簡単に分解できるが、生のバッテリーが載っているので、間違っても(バッテリー本体の)電極をショートさせてはいけない。
- 保護回路は、基板の左下の 2 つの IC 。6pin IC に、DW01 のマーキングはないが、互換なのは確か。下は TSSOP-8の 8205A(データシート) 互換 Nch MOS FET 。(回路を確かめた)
- 中央の 5pin の IC は、EMC5754(データシート) で、LTC4054互換の充電用IC。
- バッテリーの電圧を測ったところ 3.76-3.78V で過放電してはいなかった。
- 満充電の電圧は、4.16 - 4.18V だった。


これは、電子タバコの中のバッテリー。
- リポ電池のように見える。容量は 150mAH 前後らしい。
- 満充電を知らせるしくみはあるが、充電がそれで止まるかどうかは不明。独立したバッテリー保護回路は入ってはいない。
- 万が一のときは、どうなるのだろう? 先端は、キャップとコントローラ基板をはめているだけだから、先端から圧力が逃げると思われるが ..


これは、2600mAH 表記のソーラーバッテリー。 (写真は、リンク先から転載)
- 容量は 2400mAH -- 例によって(わずかだが)詐称している。
- 保護回路は、基板に載っていて DW01+8205A 。
- 問題は充電回路。0.5Ω とダイオードを介して バッテリーの (+) 側に直接接続されている。
- 満充電を知らせるしくみはある。信号線を 8205A にパラレルに接続することで、充電を止めることは出来そうだが、実際に満充電(4.2V)で充電が止まるかどうかは不明。DW01 を期待した回路なら 4.3V になってしまう。
- 2000mAH表記のソーラーバッテリーも似た様なもの。こちらは入手済みなので後日調べる。

単三タイプのバッテリー用 プロテクト基板。
- マーキングは読めないが、DW01(互換?) + 8205A(TSSOP-8) なのは明らか。
- 部品が、抵抗 2 つ(データシート通りの 100Ω+1KΩ) と 積層セラミックコンデンサ ということからも判断できる。
バッテリーと PSE法
リチウムイオン電池が規制対象になっているのだが、400ワット/リットルという 体積エネルギー密度の意味がよくわかってなかった。
ダイヤテック:リチウム・イオンとリチウム・ポリマーの相違点 の記事をみると..
- リチウムポリマーを採用し、体積エネルギー密度も250〜300ワット時毎リットル程度です。
- ※リチウムポリマー方式は体積エネルギー密度を400ワット時毎リットル以上にすることが、技術的に非常に困難です。
とかいてある。リポ電池だから対象外とよく言われるのはそういう理由だったのか。
ちなみに、装置に組み込んだ状態のものも規制の対象外。普通組み込まれているのはリポ電池だから二重に問題ないわけだ。-- 電子タバコも PSE法 的には問題ない。
ちょっと手持ちのバッテリーで 体積エネルギー密度 を見積もってみよう。
- リポ電池 3.7V 650mAH 453048 / 実際の電池本体のサイズ: 3.0x3.5x0.4
4.2cc 2.4W で 570 W/L ... あれ?
453048 はサイズだと思われるのでそれを採用すると 6.5 cc で 370 W/L 。 - DSL用の互換バッテリー 3.7V / 実際の電池本体のサイズ: 2.2x4.7x0.60
6.2 cc 3.1W(840mAH とみなす) で 500W/L
かえってよくわからなくなった。まぁ実際の容量も 実際の体積もよくわからないのだから当然か。
ただ、400ワット時毎リットルというのは、わりと微妙な値だということは分かった。