2010年11月28日

治具(ジグ)の考察

作ったプリント基板の 接続用のパッドに ピンヘッダとかをハンダづけしないで、ファームウェアを書き込んだりしたいと思うのだが、どうしたら良いのだろう? うまいやりかたがないか、いろいろ考えてみた。

    たとえば、ピンヘッダ にするかピンフレームにするか決めかねていたり、組み込むときにケーブル直付を考えていたりする場合を想定している。作る基板はたいがい 10枚以下で ずっと使うわけでもないことも前提にする。

    また、(ピンヘッダを使えるよう)1.1 mm のドリルを使い仕上がり径 1.0mm + αのスルーホールだけを対象にする。多分それ以外のドリルは使わないので考察から外す。


  • fenrirさんのところで知ったのだが、マックエイトのコンスルー XC-1を使うのが、ひとつの方法。ただし、0.9mm ぐらいまでしか対応製品がないので、工夫は必要らしい。あと、千石とかマルツとかで扱っていないような... 入手が難しいかもしれない。


  • (写真は、Making a test jig w/pogo pinsの記事より)
    基板テスト用ジグ』を見て理解したのだが、製品をテストする用途では、ちゃんとした治具を作るらしい。そういう場合は スプリングプローブ(あるいは Pogo Test Probe) というものを使うようだ。リンクマンの PB100-Bといったスプリングプローブは、マルツでも 1本 100円で 買えはする が、クランプするなにかが必要で敷居が高い。


  • ストロベリー・リナックスでは、スルーホール・テストクリップ 5個セットを 2,478円 で売っている。便利そうだが、ちょっと高いので気軽に使えないのが難点。

LEDの足作戦


たぶん最もお手軽な方法。LED の足は 0.5mm 角の正方形の断面がほとんど。綺麗に 2つ折りにすると対角は 1.12mm 。角断面なので 綺麗に 2つ折りするのは難しくなく、ペンチで潰すことでちょうど穴に入るようにできる。

ホッチキスの空打ちよろしく、両側を畳んだ形状にして、治具側の基板に差し込みハンダ付けすれば OK。

ただ、何回か使うと接触不良を起こすのではないかというのが不安点。

ちなみに、邪道だが 足目的で LED を買うなら 100個 350円のこれ?

    ひょっとして、ホッチキス針そのものでも良いのでは? 10号(8.4mm)だと ステンレス針も普通に入手できる。フラットじゃない安物で空打ちしたのを差しこめばそれで OK .. とか。




    LED の足は、短い方が 24.5mm -- 全部使うと LED として使えないので、20mm 分だけ切り取ることにする。



    これが最初の案なのだが、よくよく考えるとストッパーを付けた方が良さそう。



    この形が良いのか ... ちなみに 治具側はハンダ付けするのが前提でストッパーなし。... というか精度が出せないので意味がない。
    ターゲットに差して現物で合わせながら治具側を固定する。

    ちょっと詳しく書いておくと ...

    • 新品のLED から切りとる場合は、足の長さを同じにするようにななめに切る。こうしておけば あとで LED を使うとき アノードが分かる。
    • ストッパーの部分は加工の都合(ねじれ対策)で重要だった。最初にまげておく。
    • 次に ラジオペンチの横方向ではさんで、90°に曲げる。(位置を決めて同じ幅で曲げる)
      幅は 4mm もいらない。3mm ぐらいで十分。
    • 一回外して 曲げたところを先端にはさみ 手でさらに曲げる。
    • U 字型になるので、つぶす。ここが難しい。
    • 上部が出来たら一回 ユニバーサル基板(両面C基板)に並べて差してみる。
       - 曲がらないように ストッパーのあたりをラジオペンチで挟んで差す。
       - 差すときにストッパーを基板に押し付けて 綺麗に 90°にする。
       - あと、硬すぎるようなら さらにつぶして調整する。
       - ストッパーのあたりが 強度的に弱くなる。力を入れなくても差せるようにする必要がある。
    • 一回はずして、残った部分を 1/2 の位置で曲げる。治具に差すほうなので ゆるくなっても良いから きちんとつぶす。
    • 最後に仮組みして治具側をハンダづけ

    こんな感じか。

ピアノ線作戦


なにか、バネ状のものでできないか? ということで、#28 (0.35mmφ)のピアノ線はどうだろう?

これで、2つ折りにすると丁度良い硬さで穴に挿すことができる。LEDの足作戦と同じように 両側を畳んだ形状にして、治具側の基板にハンダ付けする。ハンダは載らないと思うが、スルーホールにハンダを詰めることで固定できれば十分。

抜き差しには強いと思うが、長期間 使えるような気はあまりしない。短くつくることにして、ニクロム線を使ってみるのも良いかも知れない。KSモデルの 0.4mm φの 燐青銅線も良さそうなのだが、入手をあきらめた。

    ここみると各種材質の 横弾性係数(G)と縦弾性係数(E)比較表がある。よく分からないが、ちょっとメモ

      G (Nmm^2) E (Nmm^2)
      ピアノ線 78000 206000
      ステンレス鋼線 69000 186000
      ベリリウム銅線 44000 127000
      洋白線 39000 108000
      燐青銅線 39000 98000
      黄銅線 39000 98000

    洋白線が手に入れば 燐青銅線にこだわる必要はないわけか。それにしても... 銅めっき鋼線というのもあるわけか。ところで、 ここ 0.5mm φの 燐青銅線がやたら安い。これだけ買うのも何だし躊躇しているがとりあえずメモ。

スプリング作戦


模型店で売っている 1.0mm のスプリング(たとえばこれ) を 切って挿し込む。

調整は必要だと思うが、ものが入手できれば良い方法かも知れない。さらに、
スプリングピン(ロールピン) 1x8 単価7円
なんてものが使えるかも。(塗装をはがさないといけないが)

サンドイッチ作戦


治具側に ピンソケット(低)を付け、ターゲットの基板を載せ、L型ピンヘッダを差し込むことで固定する。

L型ピンヘッダは そのまま使うのではなく、一旦ばらして 短い方を差せるように組み直す。

悪くないような気がするが、他の方法がうまくいかなかったときに試そうと思っている。

洋白線作戦



洋白 角線 を探すと 『KSモデル』 と 『さかつう』の製品がヒットする。『さかつうヤフー店』を見てみたら 低温ハンダも扱っていたので、ここで買ってみることにした。

1) 0.8mm の洋白角線

0.7mm の ピンヘッダでは細いので、正確に 0.8mm なら (調整して)ちょうど良いようにできる。あとは差すだけ。

    0.8mm の対角は、1.13mm 。一方ドリルは 1.1mm で 銅箔厚は 35u (x2 で 0.07 mm)だから 内径は、1.03mm 以下。そのままではスルーホールを傷付けそうなので、現物合わせで削って調整する。



    後でやすりがけするのなら、切り取るのにもヤスリ使った方が良さそう。
    長さは 15mm ぐらいか? 



    現物に合わせながら(ちょっと)角を削る。

    径は選ぶが材料に困らない LEDの足作戦と、材料の入手に難があるが 立派そうで融通が効くこれをまず試してみようかと思う。

    追記: 入手できたのだが、0.8mm より細いようで スルーホールをすり抜ける。『さかつう』なら 1.0mm x 1.0mm を使うしかない。残念。


2) 0.4mm の 洋白 丸線

洋白といっても 成分の範囲が広く どれぐらい バネとして機能するのかわからないのだが、ピアノ線作戦のように加工すれば良いのではないか。深く曲げると折れるような気もするが とりあえず。

    これも入手。悪くない。少なくともピアノ線よりは良いかんじ。深く曲げるだけでは折れないが戻すと 1 回で折れる。-- まぁ当然かも知れないが。

おまけ:銅パイプ


検討するときに、1.0 mmφの銅パイプはどうだろう?と思って入手したのだが、必要なさそう。

だが、ジャンパワイヤ自作に便利そうなのでメモしておく。

銅パイプは カッターを使い転がしながら切ることで、潰さないように切れる。少々の潰れは たとえば マチ針や 1.0mm の ステンレス釘 (虫ピン) でグリグリすれば 直せる。

内径は 0.6mm だそうで、硬めの ダイオードの足 や LED の足 が差し込める(はず)。

    実際試したら、差し込めたのだが、深くは差し込めてない。なにかコツがいるようだ。

10mm 前後に切って より線ケーブルと パーツの足 を両端に差し込み 潰せば 立派なジャンパワイヤを作れそう。最後に 収縮チューブで 補強しておけば、断線もしにくいはず。

    LEDの足を使い、折り曲げれば 手作り コンスルー 風味。ただし耐久性は期待できない。

    .. 体裁を気にしなければ より線ケーブルを直接ハンダ付けすれば良い。銅パイプはやはり必要という程ではないようだ。

値段は、300mm で 60円だった。10mm に切るなら 30個取れる計算。

おまけ: 2.0mmバナナ




治具ではないのだが、2.0mm のバナナプラグを基板に挿せるように作ったら便利かも知れない。

ものは、dealextreme の 20ペアセットとか、aitendo の これ とか これとか。

dealextreme のは、テスターのケーブルを交換できるようにしたくて買ってみた。ソケットの外径は 2.5mm ぐらいで、これを基板に付けられるようにするとか、あるいは耐久性には目をつぶって基板に直接差せるようにするとか。作るものが測定器なら便利かも。

なんでこんなことを書いたかというと、1.0mmφに差せるバナナプラグがあったら良いのにと思ったから。

その他


BlueTooth モジュールを載せる基板を作ったのだが、同じように ハンダ付け せずに載せたいと思っている。これについて



    これも LED の足で こんなのを作り、上から押し当てれば良いかと思うのだが... 他に良い方法があるかも知れない。

作ってみた(1)





    LEDの足で コンスルー風味のものを作ってケーブルにした。わりとしっかり刺さっているが、なんども抜き差しするとゆるくなってくる。ダメになったら、0.4mm の 洋白丸線でおなじ形状のものを作ってみるつもり。

    基板にマウントする方法を最初考えていたのだが、USB を抜き差しするので強度がいる。お互い接続するだけなので、マウントするのはやめてケーブルにした。ちなみに 熱収縮チューブは、1.5mmのもの



    0.4mm の 洋白丸線ケーブル (中段) と前回作った LED足ケーブル(下段)の比較写真。
    上段は、0.35mm の ピアノ線で 加工の参考用。ピアノ線でも 作ろうとしたがハンダが載らず失敗。

      つくりかたの覚書
    • 先 1mm ほどを ラジペンで 90°曲げストッパーにする。
    • ラジペンの先から決めた一定の場所で横にはさみ、逆に90°曲げる。
    • 90°曲げた ところ 短いほうをはさみ 手で 180°まで曲げる。
    • つぶして R を小さく。その後つめを差し込んで少し広げる。
    • 長いほうを ミニペンチではさみ 90°曲げる。(長さを合わせるため別のペンチを使っている)
    • おなじように調整して、長いほうをきる。
    • 最後に ストッパーの部分を切り詰める。

    洋白丸線ケーブル は良い感じ。つるつるしていて引っかからないのが嬉しい。弾性があるので耐久性もありそう。

      使ってみたが微妙。『引っかからない』ということは『抜けやすい』ということでもある。接触は問題ないが... LEDの足も捨てがたい。
      片側 LEDの足、もう片側を 洋白丸線にするとか。

    ダイオード(1N4148)の足も試してみた。0.6mmφだとばかり思っていたのだが、DO-35 の足は 0.5mmφだそうで使えた。鉄メッキされているそうで かなり丈夫。これが良いかもしれない。

追記: 秋月 細ピンヘッダ



0.5mm 角の ピンヘッダが秋月から出たので試してみた。



折り曲げると スルーホールに差すことができ、ハンダ付けなしでピンを立てられた。-- これで良いのではないか。もっと早く出してくれれば。



加工はこう。抜いたり差したりでギタギタになってしまった。

それはともかく、こういう風に加工すれば、超ロープロファイルのモジュールが作れる。ただし、ピンの向きを統一しないと、丸ピンソケットには差せないかも。
posted by すz at 19:12| Comment(1) | TrackBack(0) | プリント基板
この記事へのコメント
裁縫用の糸通しは使えませんかね?
Posted by とおりすがり at 2010年12月16日 07:45
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