鉛バッテリーが手元にいくつかある。そのうちの2つは、2年ほど前、秋月で売っていたジャンクUPS+新品バッテリーの格安セットを購入したとき入手した。ジャンクUPSにもともと入っていたバッテリー(YUASA Reliart RE 7-12, 7AH) は劣化しているということで、新品バッテリー(
LONG WP8-12 ,8AH) が付いていた。そのときから、劣化したバッテリーを デサルフェータで復活させてみたいと思っていた。劣化しているのかどうか・復活したかどうか確認するには、放電特性を測定しなければならない。
また、最近シリコン・バッテリーというのに魅かれて、
GREENSAVER SP6-12(8.5AH @20H放電,6AH@2H放電) を購入してしまった。シリコンバッテリーの輸入元のページでは、
こんなセールストークがされている。本当に性能が良いのか、その中のいくつかの点でも調べてみたい。(興味があるのは自己放電のすくなさ)
..というわけで、まずは、鉛バッテリーの放電器を作ることにした。


10Ωのセメント抵抗を6つ、昔のCPU放熱器にエポキシパテで貼り付けて、2直列3並列(6.66Ω)にし、電流測定用に 0.3 Ωの抵抗を 2並列にしたものを GND 側に付けて、負荷にした。それに加えて、
TL431 +
FDS4675で過放電対策をしている。放電特性は、USB910A を接続して、電流と電圧をログすることにした。
回路全体では、 7.21Ωの抵抗値で 12V のときは、1.66A 程度が流れる。放熱器は 74℃(周囲温度 24℃)ほどになった。手で触れないぐらいの熱さだが、まだ大丈夫だろう。(いちばんやばいのは、負荷抵抗の足に直接付けた FET ,抵抗の熱が回ってきて放熱器と同じぐらい熱い)
過放電対策について
TL431 は、REF が約 2.5V以上だと、K が +2V程度になる。そうでなければ、電源電圧 。Pch MOS FET / PNPトランジスタを使うと、ある電圧以上で ON になるようにできる。2K2 x 3: 2K2 で分圧しているので、約10V 以下になると OFF になるはず。バッテリ電圧10V以上ある間は、10V で完全に OFF にならず、100 mA 程度の電流が流れているようだ。 最終的には 10.0V 前後で ほとんど電流が流れなくなる。
回路図:

YUASA Reliart RE 7-12, 7AH と LONG WP8-12 の放電特性

WP8-12は、データシートの特性と結構似ているので、妥当だと思える。さて、RE 7-12 の方、容量がかなり見劣りするが、そもそも開始時の電圧が低い。RE 7-12 は、とりあえず充電できた状態で測定したが、WP8-12 は UPS でずっとトリクル充電していた。公平な比較ではなさそうだ。100%に充電していたらもっと持ったと思える。... ということは、ほとんど劣化していないかも知れない。
YUASA Reliart RE 7-12, 7AH と LONG WP8-12 と GREENSAVER SP6-12 の放電特性

LONG WP8-12 を再度測定して、GREENSAVER SP6-12 も測定した。
WP8-12 は、完全なフル充電ではなく、他のバッテリと同じようにある程度充電できた状態でスタートするようにした。
それでも、WP8-12は電圧が高い。バッテリーの性質なのだろうか? SP6-12 は、電圧が下がる傾きが緩やかで RE-7(54WH) と同じ電圧から開始したのにもかかわらず、76WH まで伸びた。RE-7 の1.4倍の容量があることになる。やはり RE-7 は 劣化していて 2-3割容量が落ちていそうだ。
メモ
LONG WP8-12 (データシートから) 容量 1C放電 3.6AH 5H放電 6.8AH 10H放電 8AH 20H放電 8AH 容量維持 1ヶ月 92% 3ヶ月 90% 6ヶ月 80% バッテリー充電方法 充電電圧 14.4 〜 15.0V、最大充電電流 2.4A フロート充電電圧 13.50 〜 13.80V (電流制限必要なし)
GREENSAVER SP6-8 容量 2H放電 6AH 5H放電 7AH 10H放電 8AH 20H放電 8.5AH 容量維持 わずか? バッテリー充電方法 充電電圧 14.8 〜 15.0V、推奨充電電流 2A〜3A
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